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腹パン・腹責め小説
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反撃
ここから本邦初公開です。
このまま熟語でタイトルつけていったら枯渇する気が・・・。
その後タカシ先輩は保健室に運ばれ、病院に行った。
診断結果は「臓器損傷」。
軽度なので2~3日入院すれば治るらしい。
しかし先輩にとっては肉体的なダメージよりも、年下相手に惨めに敗北し、皆の前で嘔吐したことによる精神的ダメージの方が大きかった。

次の日、俺はそれまでのクラスの中心から転落し、「嘘をついてカイトに試合を申し込み、あっさり負けた負犬」となった。
廊下で擦れ違う度に周りの奴らがクスクス笑うのが聞こえる。
あの場にいたボクシング部員しか知らない筈だが、どうやらカイトが人気取りのため校内中に広めたらしい。
今日だけで何人もの女子が奴に告白しているとか。
見た目はいいが中身は腐った野郎だ。しかし、唯一の取り柄だったボクシングで惨敗した俺には奴に勝る点なんて何一つなかった。
その日の昼休み、俺は奴に屋上に呼び出された。

「わざわざ来てくれてありがとう。」
「用件は何だ?早く言えよ。」
「昨日僕がボコボコにした先輩…タカシ先輩だっけ?入院したんだって?いくら試合とはいえ、先輩に怪我させてしまって申し訳ないから謝りに生きたいんだけど、マサト君なら入院先知ってるよね?教えてくれない?」
俺は愕然とした。
昨日リング上で俺と先輩を哀れみ蔑むような目で見た奴が、先輩のお見舞いに行くだって!?どうせ世間体目当てに決まってる。
「すぐに退院だから来なくていい。先輩もお前なんかに来られたら迷惑だ。」
「でも怪我させてしまったからには謝罪しないと…。」
「謝罪?お前は世間体整えたいだけだろ!昨日のお前の目を俺は忘れてない。」
「どうやらただのバカじゃないみたいだね。その通りだよ。いくら試合とはいえ先輩に怪我させたとなると聞こえが悪いからね。幸い君の嘘を活用させてもらってイーブンだけど、僕の評判を完璧なものにするにはちょっとした演出が必要なのさ。だから早く教えろよ。君の腹筋に聞いてもいいんだよ?」
「そうしてくれてもいいがここはリングじゃない。俺は入院先を吐かないし、お前の評判にも傷がつく。それでもいいならやれよ。」
俺はシャツを脱いで、まだ少し赤い腹筋に力を入れた。
「筋肉バカだと思ってたけど意外と頭回るんだね。それなら『先輩は自分が負けた後輩には会いたくないと言ってる』ってことにしておくよ。」
そう言うと奴は颯爽と屋上を出て行った。

チクショウ!奴の方が一枚上手だった。
先輩は俺を守ろうとしてくれたのに、俺は先輩を傷つけてしまった……。

放課後、部活をサボって先輩のお見舞いに行く。
もうボクシング部には戻れない。
いや、奴がいる場所に戻りたくない。
でも大好きなボクシングは続けたい。
俺は矛盾する二つの気持ちを抱えて悩んでいた。

病室に入るとあろうことか先輩はベッドの上で腹筋をしていた。
「フンッ、フンッ、フンッ!」
上体が持ち上がる度に腹筋がボコボコと膨張している。
大分前からやっていたらしい。
入院患者専用の服がはだけ、腹筋一つ一つの盛り上がりがしっかりとパンプアップし、汗で筋肉がテカっている。
ヤベェ…腹筋ってあんなにバッキバキになるんだ……見とれている場合じゃない。
「先輩!安静にしてなきゃダメじゃないですか。」
「マサトまた来てくれたのか。運動してないと落ち着かなくてな。痛ててて…。」
「ほら、言わんこっちゃない。」
そう言って俺は先輩を無理矢理ベッドに寝かせた。
「今日学校はどうだった?やっぱり俺は笑い者だったか?」
「先輩………すみません!」
俺は屋上でのやり取りを先輩に話した。
「俺は…俺は先輩を守れませんでした。」
「別にいいよ。俺は奴と違って自分の評判になんか興味がない。そのせいで後輩から『鬼』って言われるんだけどな(笑)」
「そんなことないです。先輩は厳しいけと優しい人です。でも俺、そんな先輩を……。」
「もう言うな。お前の気持ちだけで十分だ。それに俺がずっと何も考えずに腹筋してたと思うか?」
「えっ?」
「奴を倒して化けの皮を剥ぐ作戦を考えてたんだよ。」

どうやら先輩はカイトが転校して来る前にいた高校のボクシング部に知り合いがいるらしく、そこから情報を得ていた。
それによると奴の得意技はあのボディーブローであり、これまで何人もの選手にKO勝ちしている。また、奴の肉体は日々のウエイトトレーニングによって硬い筋肉に包まれており、特に腹筋は今までどのボクサーのボディーでも破れなかったらしい。
「いいか、お前はこれから特訓して、奴の自慢の腹筋を、奴の得意技であるボディーブローで潰すんだ。そうすれば奴の『評判』とやらも地に墜ちる。」
「ええっ、俺が?先輩じゃないんですか?」
「俺は奴と年も階級も違う。それに俺は一応地方大会経験者だ。もし奴が俺に負けたとしてもその部分で言い訳ができる。しかしお前は完全に奴より格下だから、完璧な逆転劇になるんだ。」
「褒められてるんだか、けなされてるんだかわからないですよ。」
「バカヤロー、褒めてんだよ。カケルから部活を休む許可は貰ったから早速明日から特訓だ。俺も明日には退院できる。奴に絶対勝つぞ!」
「はい!」

しかし俺はこの後の「地獄」の特訓について、何も知らなかった。
コメント
コメント
すごくいいです!
続き期待しています(^O^) 
2011/11/14(月) 23:17:57 | URL | かん #- [ 編集 ]
かんさんへ
ありがとうございます。
あと2〜3話で終わる予定ですが、カイトやカケル先輩の話も書きたかったりします。
2011/11/14(月) 23:26:45 | URL | 山田鎖骨 #- [ 編集 ]
いいセンス^^
最高です^^
読み手が引き込まれるいい作品ですね^^
2011/11/15(火) 19:41:38 | URL | ジョウ #klq26XPE [ 編集 ]
ジョウさんへ
ありがとうございます。
一度読んだら抜けられない、底無し沼のような小説を目指しています。
2011/11/15(火) 20:09:53 | URL | 山田鎖骨 #- [ 編集 ]
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