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腹パン・腹責め小説
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敗北
「人気者」の続きです。
この話までは某掲示板様にアップロードいたしました。
俺は午後の授業をサボった後仕方なく部活に行った。
奴が来ると思うと気乗りしなかったが、逃げ出したと思われるのはもっと嫌だった。

練習場に行くと、やはりカイトの周りに人だかりが出来ていた。
部長である三年のカケル先輩が入部手続きについて話している。
「うちの部には入部テストがあるんだ。関西チャンピオンでも一応形だけ受けてもらわないと他の部員に示しがつかないからね。時間の無駄だろうけど受けてくれるかな?」
カイトは驚いた表情で
「部員と試合するんですよね?それならもうやりましたけど…。」と答える。
「試合?入部テストはただの体力チェックだけだよ。」
それを聞いたカイトは何かを察したような顔で辺りを見回し、俺を見つけると不気味に微笑んだ。
「昼休みにマサト君から入部テストと称して腹パンを申し込まれたんで受けて立ったんです。まぁ、彼僕のボディーブロー一発で吐いちゃいましたけど。」
その瞬間奴を囲んでいた連中がドッと笑った。
「関西チャンピオン相手に調子乗ってんじゃねぇぞ~。」
「マサト先輩マジ無謀っすよ(笑)」
「自分から挑戦しといてカッコ悪りぃなwww」

俺は拳を握りしめてブルブルと震えていた。皆にからかわれたことが恥ずかしいのもあったが、それ以上に単純に奴に負けたのが悔しかった。
その時、
「ゴチャゴチャうるせぇぞ!!」
三年のタカシ先輩が一喝した。
俺を最も可愛いがってくれている先輩であり、俺も先輩を1番尊敬していた。
「お前関西チャンピオンなんだろ。マサトは所詮地区チャンピオン、勝つのは当然だ。それを皆の前でベラベラ言いやがって。チャンピオンのくせに小せぇ男だな。それに今笑った奴ら、お前ら大会でマサトより良い成績出したことあんのか!?」

純粋に嬉しかった。先輩が俺の気持ちを解ってくれたことも、それをあの状況でしっかりと言ってくれたことも。

笑っていた連中はシーンと黙った。
その場の雰囲気を和ませようとカケル先輩が
「入部テスト始めようか。」
と言ったその時、カイトはタカシ先輩を指差して
「先輩、入部テストの代わりにこの人と試合させてください。もし僕が負けたら、マサト君に謝罪してボクシング部への入部を諦めます。」
と言った。

「いいのか?タカシは高三だし、お前と階級も違うぞ?」
「構いません。」
「タカシもいいか?」
「いいぜ。可愛い後輩をコケにされたんだ。受けて立ってやる。」
タカシ先輩は185cm82kgのヘビー級、対するカイトは恐らく俺と同じミドル級。しかもタカシ先輩は毎年県大会ベスト4に入っており、地方大会出場経験もある。俺は内心イケると思った。

二人とも着替えて用意をした。流石はタカシ先輩。服の上からでもわかるゴツゴツとした筋肉で体中が覆われている。そんじょそこらの女子よりもでかい胸筋、テニスボールが入っているような二の腕、一つ一つがしっかりと盛り上がった腹筋…。凄ぇ、俺も先輩を目標にしてウエイトトレーニングやってるけど全然追いつけない。
一方のカイトもやはりいい体をしていた。奴がシャツを脱いだ瞬間、驚きの声があがる。高校生でこれほど鍛えてるのはなかなかいない。もっとも、本人はあまり気にしてないようだが…。

二人がリングに上がり、ゴングが鳴った。
タカシ先輩は最初から大振りのパンチを連発している。「フィジカルとパワーは全国クラス」と言われてるだけあって、その威力は絶大だ。俺も何度かスパーリングしたが、パンチを受けた所に何日も痛みが残る。実際にカイトは苦痛で若干顔を歪めている。「勝てる!」そう思った時先輩のボディーが奴の腹に入った。
バキィィィ!
奴は腹を少し押さえ、苦しさで顔を強張らせたが何とか立っていた。
その後も先輩のペースで第1Rは終わった。
先輩はまだまだ余裕なのに対し、奴はまださっきのボディーを気にして腹をさすっている。
先輩はセコンドで付いている俺に「次の一発で決めてやる!安心して見てろ。」と言ってリングに上がった。

第2R開始。
先輩は宣言通りいきなり大振りのストレートを放とうとした。
その瞬間、俺には奴が少し笑ったように見えた。
そして
ドボォォッ!
パンチを喰らったのは先輩だった。
奴はストレートを打つために右腕を引いた先輩の一瞬の隙を突いて、先輩の無防備な腹筋にボディーアッパーをぶち込んのだった。
流石のタカシ先輩でも力を入れてない腹筋にあのボディは辛い。右腕が途中で止まったがどうにか持ちこたえた。
しかし明らかにダメージを受けて動きが鈍っている。
それに引き換えカイトは1Rのボディーなどなかったかのような軽やかなステップだ。
「こいつ、わざと苦しそうな振りをしていたんだ。」マサトがそう気付いた時にはもう遅かった。
カイトの顔面ストレートをガードした先輩。またボディーががら空きになる。

「先輩、危ない!」
ドボッ!バキッ!ボコッ!ドカッ!……
奴のボディーラッシュだった。
先輩の腹筋はみるみるうちに赤くなり潰されていく。
まるで奴は、自分に刃向かう事の恐ろしさを周りにわからせるかのごとく、激しいボディーブローを放った。

レフェリー役のカケル先輩が見かねてストップをかけ、二人を引き離す。
先輩は膝からリングに倒れ込み、堪らず胃を押さえて激しく嘔吐した。
俺はリングに駆け登り先輩を介抱する。そして奴の方を見ると、奴は蔑むような目でこちらを見ていた。
俺はただ睨み返すことしか出来なかった。
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